サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とは?

高齢者が入居する施設で、生活を支援するサービスが付いています。主に自立した生活ができる高齢者が対象です。
介護が必要な場合は、外部のサービスを利用します。その場合、訪問介護サービスや通所介護を利用して、生活をします。

サービス付き高齢者向け住宅 (サ高住)とは?

安否確認、生活相談サービスを提供する賃貸住宅です。食事 や介護サービスの有無、内容を確認しましょう。

93%のサ高住は施設ではなく、賃貸住宅

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とは、そのネーミングから介護付きの高齢者施設と思われがちですが、そうではありません。「特定施設」指定を取っているところ以外は、賃貸住宅です。

必ず付いているサービスは、「安否確認」と「生活相談サービス」のみ (「特定施設」の指定を受けているサ高住は、全体の約7%のみ。言い換えれば、93%のサ高住は「住宅型」)。日中はケアの専門職が対応しますが、夜間は職員が常駐しないところもあります。

国は2020年までに60万戸にすることを目標としており、補助金や税制優遇を受けられることから、2011年の制度開始以来、急増しています。

入居対象となるのは原則「自立」の人、または軽度の介護を要する人となっています。とはいえ、実際には「要介護5」でも受け入れるところが少なくありません。

居室は1人用と2人用があります。個室の広さは原則25㎡以上となっていますが、実際には18㎡のところが多いのが実情。
生活するための場と考えると手狭なので、共用スペースの確認も大切です。

オプション料金で個別サービスを提供

ケアの内容はサ高住ことに大きく異なり、多くはオプション料金を支払うことで、食事の提供や、家事支援などのサービスも行われています。

敷地内に介護サービス事業者が入っているところが多く、介護が必要になったときには各自契約することで、自宅にいるときと同じように介護保険の居宅サービスを利用できます。

一方、サ高住の特色の1つが、入居一時金が不要という点です(一部、「入居一時金方式」を選択できるところも)。介護の必要度合いが高くなれば住み続けられなくなる可能性がありますが、一時金を払っていなければ、入居後も退去の決断がしやすいです。

サービス付き高齢者向け住宅の特徴

自立した生活を送れる人、要介護度が比較的軽度な高齢者向けの民間賃貸住宅

【介護保険】
別に契約し「居宅サービス」を利用

【費用】
有料老人ホームと比べ、やや低コスト

【要介護度】
比較的元気な人を対象(要介護5でも受け入れるところもある)

【認知症対応】
個々に異なるが、中重度は対応不可のところが多い

【看取り対応】
対応不可のところが多い

【介護・看護職員】
・配置基準なし(ただし、ケアの専門家が日中は常駐)
・夜間はスタッフが常駐しないところもある

【居室】
1人部屋(18㎡2中心)、2人部屋

【住民登録の有無】
民間施設なので全国どこでも申込可

【申し込み】
直接施設へ

ケアの専門職とは?

●社会福祉法人・医療法人・指定居宅サービス事業所等の職員
●医師、看護師、介護福祉士
●社会福祉士・介護支援専門員
●介護職員初任者研修課程修了者

サービス付き高齢者向け住宅 【特定施設】とは?

サ高住の中でも「特定施設」の指定を取っているところでは、24時間体制で介護を受けることができます。

サ高住でも、「特定施設」指定なら介護施設

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)には、介護付き有料老人ホームと同じように各都道府県から介護保険の「特定施設」の指定を受けているところがあります。ここは、通常のサ高住とは別物であると認識したほうがいいでしょう。

介護費用は要介護度ごとに決まっており、その都度の契約ではなく内部の職員が24時間体制で介護サービスを提供します。
ただし、指定を取ったサ高住はごく少数です。

ケアは行き届いていても自由度は低い

特定施設であればサ高住であっても通常の浴槽と、車いすのまま入浴できる「機械浴」を備えていることが一般的。ただし、ケアは行き届いているものの、入浴の回数なども細かく決められています。
それは「特定施設」の運営基準に、「自ら入浴が困難な利用者については1週間に2回以上入浴または清拭すること」とあるためです。

施設ごとに状況は異なりますが、自分で入浴できても、「週2回」のルールが覆らないこともあります。3回にすれば、人件費の問題が出てくるからです。

以前、ある特定施設指定のサ高住を見学したときに、「足が丈夫な人でも、勝手に近くの自動販売機にジュースを買いに行ったり、コンビニに行ったりすることはできません」と一番に言われたことが印象的でした。中には、外出が減って足が弱くなることを心配する入居者もいるようです。

有料老人ホームにも共通することですが、ある程度身の回りのことができる現の場合、「特定施設」がよいとは限りません。親の状況とミスマッ チにならないように、提供されるケアの内容をしっかり確認することが大切です。

サービス付き高齢者向け住宅[特定施設】の特徴

介護保険の「特定施設」の指定を受け、施設職員が介護サービスを提供する民間施設

【介護保険】
「特定施設入居者生活介護」を利用

【費用】
介護付き有料老人ホームよりはやや低コスト

【要介護度】
「介選専用型」「混合型」などがある。

【認知症対応】
対応するところが多い

【看取り対応】
対応は個々に異なる

【介護職員】
・3:1以上
・より手厚い配置の場合は別途費用がかかる

【居室】
個室

【住民登録の有無】
民間施設なので全国どこでも申込可

【申し込み】
直接施設へ

介護型サ高住【特定施設】のメリット・デメリット

【メリット】
・24時間体制で介護を受けることができるので安心
・介護費用が一定額なのでふくれ上がる心配がない

【デメリット】
・ケアマネジャーや介護事業者を自らの意思で選択できない
・自由度が低く、外出制限などがある。